胡 新 HU, XIN

名古屋大学大学院
工学研究科 物質プロセス工学専攻
胡 新
HU, XIN
《 Deployer 》
履修生へのインタビュー

Interview


研究紹介

大学では超臨界二酸化炭素を用いた石油の抽出を研究していました。さらに研究を深めたいと、超臨界研究分野で世界的にも有名な、名古屋大学の後藤先生に師事したいと留学することを決めました。

後藤研究室にて、現在は、超音波支援液相レーザーアブレーション法を用いた金属ナノ粒子の調製を研究しています。金属ナノ粒子はユニークな性質があるため、現在、注目を集めています。特に、液相レーザーアブレーションは、様々な合成方法の中でも、シンプルで環境に優しいプロセスです。

私の研究では、従来の液相レーザーアブレーションと異なり、超音波と液相レーザーアブレーションを組み合わせて金属ナノ粒子を作製しました。その上、レーザーのエネルギーといった様々なファクターを変化させながら、超音波の有る時と無い時で作製した金属ナノ粒子と、レーザーアブレーションにより金属板表面に形成されたミクロの穴の違いを検討しました。

条件を変化させた時の仮説と検証、結果のフィードバックを重ねることで、超音波の有無におけるメカニズムの解明やプロセスの制御を可能にすることも目的としており、実用化を意識した研究を行ないました。また、世界的に前例がないミクロの穴の体積の測定方法を提供しています。

DII協働プロジェクト プロジェクト名

認知症のある高齢者向けのモニタリングインソール

現在、認知症のある高齢者とその家族のための製品を開発しています。日本では65歳以上の高齢者は3,461万人で、総人口の27.3%を占めています。高齢者の増加に伴い、認知症を持つ高齢者の数も増加し、社会的に深刻な問題となっています。

私達のチームは認知症のある高齢者のご家族を対象に調査を行いました。認知症の患者さんは外で徘徊しやすいため、ご家族が心配して探しに出かけたり、警察のお世話になったりするという悩みがあります。この社会問題を解決するために、私たちのチームは、認知症の高齢者の方向けのGPS機能付きモニタリングインソールを設計しました。さらに、認知症の高齢者のご家族が離れていても、リアルタイムに位置情報を把握できるモバイルアプリケーションを開発する予定です。現在、インソールのプロトタイプを作っています。

この構想に至るまで、企業や社会への調査やヒアリングを実施しました。実は、当初は体重を測ることのできる靴を目標にしていました。しかしながら、企業との打ち合わせの際、この商品ではニーズがあまりないと言われました。そのため、DIIの一回目の審査では残念ながら通過できませんでした。そこで、私はオンラインでのアンケートと実際に介護商品の販売店を調査し、認知症患者が外で徘徊する現状を把握し、そこにニーズを感じました。その結果を元にグループのメンバー達と相談し、歩くことによって発電する技術とインソール内蔵GPSを組み合わせる可能性を検討しました。

その結果として、最終的には認知症患者用モニタリングインソールの開発を目標にしたのです。一筋縄では行きませんでしたが、リーダーとして、3人の力を合わせて、プロトタイプを作るまでに至ったことは非常に感慨深く感じています。

ターニングポイント

Turning Point


日本留学です。元々中国にいる時から、日本の文化に興味を持っていました。そのため、日本語を勉強して日本に留学したのですが、ここで素晴らしい先生方に出会い、またDIIプログラムに参加することで多くの知識を学べました。まさに人生のターニングポイントです。

趣味

Interests


趣味は辛い食べ物に挑戦することです。実家が中国の四川省にあり、小さな頃から一番好きな食べ物は麻婆豆腐でした。そのため、辛い食べ物には、強い自信があります。