遠藤 彗 ENDO, Meguru

名古屋大学大学院
工学研究科 電子工学専攻
遠藤 彗
ENDO, Meguru
《 Innovator 》
履修生へのインタビュー

Interview


研究紹介

私は大学入学以来、最先端の研究をしたいと考えていました。学部4年生の時には、青色LEDで脚光を浴びたワイドバンドギャップ半導体であるGaNを扱う半導体物性工学の研究室を志願しました。

現在の私の研究は、半導体窒化ガリウム(GaN)中の点欠陥評価です。

電気エネルギーの有効利用のためには、電力変換を行うパワーエレクトロニクスのキーデバイスである半導体パワーデバイスの低損失化が必要不可欠となります。GaNは、これまで主流だったシリコンよりも導通損失の少ない超低損失パワーデバイス材料として期待されています。デバイス作製の際には、高温での熱処理やプラズマを用いたプロセスが必要となりますが、この際に半導体結晶がダメージを受けて点欠陥が形成され、電気的特性・信頼性を劣化させる要因となります。

優れた特性を持つデバイス作製のためには、欠陥の低減や欠陥を考慮したデバイス設計が必要不可欠です。しかし、GaN結晶中の欠陥に関する知見は不足しており、性能が欠陥の影響を受けているのが現状です。そこで私は、GaN結晶中の欠陥、特に窒素空孔などの真性点欠陥の特性評価を行い、欠陥に関する基礎データ解明に取り組んでいます。

DII協働プロジェクト プロジェクト名

老犬介護問題の課題解決

私がDII協働プロジェクトで取り組んでいる課題は老犬介護です。

老犬介護という言葉は馴染みがないかもしれません。高齢になった犬には、筋力の低下や、関節の痛みによる姿勢維持の不能、認知症、夜鳴き・無駄吠え、内臓機能に低下による排泄の失敗等の問題が生じます。

そのため、人と同じような介護が必要となり、飼い主の身体的・精神的負担が大きいのが現状です。DII協働プロジェクトでは、老犬介護における犬・飼い主の負担を減らすために、排泄の介護に着目しています。一般的に、高齢犬の排泄の失敗によって家や犬が汚れてしまうことを防ぐために、犬用おむつが用いられています。しかし、既存の犬用おむつは、ぴったりなサイズがない、おむつの隙間や犬用おむつに特徴的な尻尾の穴から排泄物が漏れる、おむつのずれにより炎症が起きてしまう、などの問題を抱えているため,排泄介護の負担を大きく減らしているとは言い難いのが現状です。DII協働プロジェクトでは、このおむつの課題解決に取り組んでいます。

嬉しいことに、プロジェクトに共感・賛同してくれたDII以外の学部生がチームの一員として活動してくれています。

専門分野の異なる学生が集まって、老犬介護という誰も専門分野としていない分野に取り組んでいますし、勝手がわからない中で、スムーズに計画を進めるためにも、進捗の管理や仕事の割り振りは欠かせません。DII協働プロジェクトを通して、プロジェクトマネジメントのスキルを学んでいると感じています。

ターニングポイント

Turning Point


博士進学を決めたことだと思います。卒業研究テーマとして与えられたGaN中の点欠陥評価は、私にしか完遂できないと考え、博士課程に進んで引き続き研究を行うことを決めました。

趣味

Interests


合唱が趣味で、合唱指揮者をしています。自分の声が、みんなの声と一体となってハーモニーが完成する楽しさに喜びを感じます。