蔡 沛陽 CAI, Peiyang

名古屋大学大学院
工学研究科 物質プロセス工学専攻
蔡 沛陽
CAI, Peiyang
《 Deployer 》
履修生へのインタビュー

Interview


研究紹介

集積回路の高密度化に伴い、半導体素子の熱マネジメントの重要性は高まっています。

近年は、高熱伝導率を有する半導体材料としてBAsが注目を集めています。立方晶BAsは、理論的にはダイヤモンドに匹敵するような、1400 W/mKの高い熱伝導率を有することが予測されています。しかしながら、先行研究において化学気相輸送法(CVT)によって得られたバルク単結晶では、欠陥や不純物の存在によって熱伝導率は500 W/mKに限られています。

そこで、分子線エピタキシー法(MBE)による薄膜結晶成長に着目しました。MBEとは高真空中において、原料を蒸発させるなどして基板表面に照射して堆積させ、薄膜の形で成長させる手法です。

BAsの薄膜が作られた前例がないだけに、この課題をクリアして研究を進めたいと考えています。

DII協働プロジェクト プロジェクト名

レンズのない監視カメラ

私たちチームは監視カメラに着目しています。監視カメラは、交通管制、犯罪検知、遠隔監視など、さまざまな分野でますます重要な役割を担っています。監視カメラは劇的に増加していますが、一方でプライバシーの問題もクローズアップされてきています。また、監視カメラが犯罪者によって犯行前に破壊されるケースも多く、犯罪者の追跡が困難になっています。さらには、強い点光源がある場合、カメラは簡単に無効化されてしまいます。私たちのチームは、これらの課題を解決することを目指しています。

従来のカメラのレンズをなくす方法があれば、この問題を解決できるかもしれません。そこで私たちは、「レンズのないカメラ」という技術を考え出しました。レンズのないカメラは、複雑なレンズ構造がなく、必要な焦点距離もないため、理論的には非常に小型化できます。また、従来のカメラのレンズ構造がないため、反射してカメラの位置を見つけることも不可能です。さらに、カメラの形状に制約がないため、より検出が難しくなります。

実は、私たちチームにとって、ここまでの道のりは簡単なことではありませんでした。アイデアの変遷も多々あり、失敗もありました。チーム内で、企画段階で意見が対立することもありました。しかし、最終的には満足のいく企画内容に仕上げることができたのです。これは、ビジネスや起業に触れたことのない私たちにとって、とても大切で貴重な経験でした。協力することの大切さを学びました。

チームのメンバーには、それぞれ長所と短所があります。最初のうちは、それぞれが別々に行動していたため、タスクの遂行は遅かったのですが、後半になると、お互いに補い合い、効率を大幅にアップさせることができました。また、この過程で、インタビューやアンケートなどの市場調査の重要性も理解することができました。同時に、コミュニケーションの重要性も理解することができました。チームが急速に成長していく中で、ビジネス経験豊富なメンターの方は暖かくも的確な助言をいただき、メンターの存在にも強く感謝しています。

「投資家にとって最も重要なのは、起業家チームのマネジメントである。」とDIIの講義で、ベンチャーキャピタルの講師がお話しされました。これまで、スタートアップにとって最も重要なのは技術と市場だと考えていた私にとっては、これまでの考え方を覆すほど示唆に富んだお話でした。このお話はとても印象的で、DII協働プロジェクトでのチームのコミュニケーションを大切に取り組む気持ちに繋がっています。

ターニングポイント

Turning Point


留学生として日本に来たことは、私の人生のターニングポイントになったと思います。ここでは、今まで見たことのないものをたくさん見ることができました。

趣味

Interests


趣味:バスケットボール、少年漫画  好きな本:悪意、白夜行