星野 聖奈 HOSHINO, Sena

名古屋大学大学院
工学研究科 物質科学専攻
星野 聖奈
HOSHINO, Sena
《 Deployer 》
履修生へのインタビュー

Interview


研究紹介

学部生の授業で、材料に関する不思議な現象をたくさん学びました。例えば、消毒液に使われるエタノールってどれだけ頑張って蒸留しても純度が96%までしか高められないんです。けどそこにベンゼンっていう不純物をあえて加えると99%近く純度を高めれるんですね。そんな不思議な現象がなぜ起きるのか解き明かしてみたい!と思って、現象が起こる”仕組み”を解き明かす今の研究を選びました。

研究では”半導体の硬さ”について研究をしています。「半導体で硬さ?省電力とか電気的な話じゃなくて?」って思うかもしれませんが、実は半導体の硬さはとても重要なんです。もともと半導体は硬くて割れやすいお茶碗みたいな材質で、それを様々な技術を駆使して精密に加工したものが製品として私たちの元に届けられています。したがって、丈夫かつ加工しやすい半導体、すなわち適切な硬さを持つ半導体を開発することが大変重要となります。

近年、硫化亜鉛(ZnS)という半導体で、暗闇で圧縮すると金属のようにしなやかに伸びるのに対して、光を当てながら圧縮すると粉々に割れてしまうということが発見されました。この現象をうまく使えば、硬くて割れやすい半導体も金細工のように緻密に加工できるようになるかもしれません。
私の研究では、なぜ光を当てると硬さが変わるのか、そのメカニズムを解き明かすことを目標としています。

DII協働プロジェクト プロジェクト名

難病患者向けのコミュニケーションツール

私たちのプロジェクトでは難病患者向けのコミュニケーションツールの開発を目指しています。

ALSや筋ジストロフィーといった神経筋疾患は体の自由を徐々に奪っていき、患者さんたちはコミュニケーションをとることが難しくなっていきます。私たちは彼らのコミュニケーション問題を技術の力で解決したいと考え、患者さんの生体信号 (筋電位や振動など)をセンサーで読み取り、その信号を使って文字をデバイスに入力するアイデアを思いつきました。

2020年にはこの活動をビジコンで発表し、スポンサー賞を受賞しました。また、21年には名大医学部と共同研究をスタートさせ、患者さんに実際にプロトタイプを使用していただく段階まで進めることができました!チームメイトの林(DII 2期生)、澤田(学部3年生)、樋口(学部1年生)の活躍のお陰でここまで進めることができたため、彼らにはとても感謝しています。

そういった多様な背景を持つメンバーと、周りを巻き込んでプロジェクトをどんどん進めていく、という体験はDIIでしか成し遂げられなかった体験かなと思っています。DII協働プロジェクトを進めるにあたり、イスラエルのベンチャー企業とオンラインでやり取りをしたり、病院の先生方に共同研究の協力をお願いしたりと、外部の方々と一丸となって協力をしていくということが幾度もありました。そうした経験のお陰で、プロジェクトを進めていくためのノウハウであったりとか、自分達が欲している技術や人材とマッチングする方法などについて学ぶことができました。

また、DIIでは自身のプロジェクト・研究に関する発表の機会に恵まれており、企業メンターという第3者の立場の方から切実なフィードバックを頂けます。その際に、多くの方からプレゼンを褒めていただき、とても自信がつきました。「プレゼン能力が自分の強みだ!」と気づけたことが財産です。

受賞歴

Tongaliビジネスプランコンテスト2020 大和証券賞
名古屋大学 博士課程教育推進機構 キャリア教育室主催第11回「企業と博士人材の交流会」敢闘賞

ターニングポイント

Turning Point


中学受験で中高一貫の私立に入ったことですね。「一生かかってもこの人達には追い付けない」と感じる天才たちが身の回りにいて、彼/彼女らとの学園生活は毎日が刺激的でした。この経験が無かったら今の自分は絶対いなかったなと自信を持って言えます。

趣味

Interests


スパークリングワイン・日本酒が好きで、月一ペースで酒屋さんに自分で仕入れに行っています。学部生の頃はピアノサークルに所属しており、会長も一時期務めました。最近はコロナで外出が難しい状況ですので家庭菜園にはまっています。昨年はブドウの木とオレンジの気を植えたので今後の成長が楽しみです。